ここまでデジタル化についてしつこく語ってきましたが、そもそも「デジタル」と「アナログ」は何が違うのか、ご存知でしょうか。
デジタルは機械を使った作業、アナログは手作業。
そんなイメージがあると思いますが、それだけではありません。順番が前後してしまいましたが、少しご説明しましょう。
簡単に言えば、アナログもデジタルも「数や量を表す手段」のひとつです。ただしアナログは「連続的」に、デジタルは「離散的」に表します。
たとえば体重が「50・88㎏」の人間が、2つの体重計に乗りました。
ひとつは、最小単位が0・1㎏のデジタル体重計。
もうひとつは、0・5㎏ずつメモリが振られたアナログ体重計です。
デジタル体重計では「50・8㎏」の次は「50・9㎏」と表示されます。0・01㎏を表示する設定がないため、中間の数を表すことができず、0・08㎏はポンと繰り上げられて「50・9㎏」と表示されます。これがデジタルの「離散的」な表し方です。
いっぽうアナログの体重計は、針が「50・5㎏」を超えて「51・0㎏」に近い部分を指すでしょう。目分量の計測には限界がありますが、針が示した部分を写真に撮り、拡大して細かく計れば「針が指しているのは50・88㎏の部分だ」と判断できるはずです。さらに拡大して緻密に計れば「50・885㎏ぐらいかもしれない」と、理論上は無限に細かく把握していくことが可能です。これがアナログの「連続的」な表し方です。
ただし理論上可能であっても、現実でのアナログ測定には限界があります。デジタルとアナログのどちらが効率的かつ正確であるかは、言うまでもないでしょう。