もちろん、デメリットがまったくないわけではありません。
電子機器である以上、災害などで停電状態に陥れば、デジタル機器はまったく使えなくなり、製造がストップしてしまいます。ただしバックアップ電源等を用意して備えておけば、このリスクは軽減できます。
また、メンテナンス不足で突然故障してしまったら、データを見ることも、変更することもできなくなり、完全にお手上げ状態になってしまいます。しっかりメンテナンスをしても、機器の故障や不具合が発生する確率をゼロにはできません。そのため、こまめにデータのバックアップをとっておく必要があります。データが無事であれば、別のデジタル機器で代用は可能です。
ネットワークセキュリティの問題もあります。
義肢装具士は個人情報を扱うため、パソコンのウイルス感染や情報漏洩には最大限注意を払わなければなりません。アナログの書類や資料は「盗まれた」ことがすぐに分かりますが、電子データは盗まれたとしても、それを検知できるかどうかはセキュリティソフト次第です。どれだけコピーしても劣化しないというメリットは、データが盗まれた場合は最大のデメリットになるのです。
セキュリティソフトは日進月歩で研究が進んでいるため、つねに最新データを更新することが大事です。また、データの扱いに関するマニュアルを作成し、会社の外部に情報を漏らさない体制を構築することも肝要です。